映画『 ビューティフル・マインド』を思い出しながら。

映画『ビューティフル・マインド』は、21年ほど前だったか、ビデオを借りて観た。

ラッセル・クロウだから叶えられたメッセージだと思った。どんなに表現が豊かでも、"哀れ"だとか"悲しい"が強調されてしまっては、決して到達しなかっただろう。俳優の物事への理解が、作品を完成させたと思う。

 

感情や思考の針の振り幅はときに、現実で数えられる枠組みを踏み越えることがある。軸を失えば人は脆く、心は砕けて散らばる。

それでも、人に宿る灯火のような感情を紡いで今日を生きることを、美しいと捉え、登場人物たちが同じ理解で、偏見なく彼の功績を讃えたあの映画が好きだ。

 

その"ナッシュ均衡"と、相反するところの"パレート最適"が、9条を理解する手懸かりになるとは想像できなかった。

(美術系専門校だったこともあり、まったく学ばず来てしまった)

長い歴史の中で、多くの学者が検討してきた明日への手懸かり。日本は敗戦後の荒野にそれを実現する使命を見たのだろうと思う。