album『3020』SuiseiNoboAz
春に混乱の最中投下された single『3020』にも、未だ聴く度、歌詞を辿る度、埋もれそうな世界から引き上げる力を見たりする訳ですが。
ま明るい言葉を連ねる訳でもなく、気怠かったり腐ってたり苛立ってたりする、空虚も悲観さもそのまま照らし出す作り手が、何を生み出すかを楽しみに待っていた訳です。
そこに、発売日前日解禁されTLに流れてきたMV、『それから』。
高い光量に眩みそうな景色が、物語の終わりと始まりの狭間の空白みたいに。
空虚みたいで心許なく思えた光景が、粒子の詰まった濃厚で現実的な生きる手がかりだと知る。
(抽象的すぎる感想)
SuiseiNoboAz 『それから』☞ ★
これまでの曲でも、実在の記憶や気配を嘘なく、小綺麗に言い換えず、但し選び取って紡いできたんだろうと感じるけど。
そういう、嘘のない言葉は、今年のような混乱の中で、強力に灯るんだな、と感じている。
アルバムの中の『3020』は、同じ曲だけどシングルとは存在感が違う。
『それから』が存在しているからだと思う。
語られる軸は、感情や意志はどちらも同じところなのだろうと思う。
それでも、ここまで表現が変わってくる。
これは凄いことなのでは。
生身の言葉が、今と明日を繋いでいく。
『Gakiami』とか『Onikage』とか演ってる人たちですからね。
ごつい方向に振り切って暴れられる人たちが。
四季の熱や風を真に受けて、心地よく息をするような曲もある。
それで、『3020』や『それから』のような曲を示してくる。
たまりませんな。
渋いし。
なんか宇宙だし。
そのわりに日本だし。
むしろ新宿だし。
というとてつもなく抽象的で、どこまでも音楽性を示すカケラもない感想。
果たして人に伝わるのか。
(無理だろ)
(ぃゃ、そうとも限らない)
(えーと)
邦楽てマジ、つまんな、と思ってる人へ。
あと、唐突に空虚に襲われてる人へ。
洗濯物干し忘れた人へ。
今日調子悪かったわー、という人へ。
天気予報見忘れた人へ。
稀有すぎて理解者いるわけないわ一人で生きるわー、という私みたいな人へ。
明るい曇り空に光が透けてるのが好きな人へ。
会いたい理由を見失った人へ。
誰もへ。
CDとLPが出てます。無意味におすすめしたくなるこの感じを、体感できます、きっと。
あと、ジャケット、お洒落ですよね。
無駄に角度つけて撮りたくなる。
夜中はCDをイヤホンで聴く。
ピアノが鳴ってる。
健康に生きましょう。
また。
SuiseiNoboAz『3020』☞ ★