台風による終日の雨と、11月並みだという気温に冷え込んだ金曜、映画の感想を抱えながら、小説のつづきを読んでいました。
(ある小説のネタバレになってしまので、嫌な方は読まないでくださいね)
(後でタイトルも載せますので)
なんとなく、途中で途切れさせてしまうのが惜しまれて。
いつもなら明日へと持ち込む小説のつづきを、帰路の電車で読んだのでした。
登場人物の誰もが、いつも以上にその多くが、尊い感覚を持ち合わせ温かさに満ちていたのは、なにか意味があったのかなと、思ったりしていました。
それが物語の展開への不安さを消していたような。
山間に冷たい風の吹き込む景色を身近に感じながら、信用できる者たちのやり取りをページから覗き込む日々は、楽しかったとも言えます。
(会えなくなって、今すこし寂しいくらい)
激闘が物語の中盤で済んでいたという作りも新鮮でしたし。
それは、この物語の主軸がどこにあるかを示していることでもあり、しみじみと著者の意図を確かめるところでもあります。
厳粛であったこと。
語られる様子や登場人物の振る舞いも、決して軽率でなく演出的でなく、厳粛であったことが、大事なことであったと思っています。
少し、出来過ぎたように最後、穏やかな優しさで幸せが整えられたようにも思いますが。
(あの春風のような存在を私は知らない)
駅に着いてからの残りのページを、ホームのベンチで少し冷たいくらいの風に吹かれながら読みきるときに。
小説の中で、赤い鞍の白馬が遠くに見えたその光景のように、冷たい冬の空気を感じながら…
物語が春を迎えていくことを受け留めました。
これは著者の優しさである。
そう思いながら。確かにそこに、幸せな物語が灯されたのを、心地よく受け留めました。
小説『この世の春』著:宮部みゆき 氏
(いつものクセで雑誌の切り抜きでカバーを掛けていますが、装画は藤田新策 氏の、細かで奥深く、妖艶さのある美しい絵画です)
シンポジウムと映画と小説と、たくさんの感想を抱えて何かが灯されていたおかげで。
そのあとに、疲労と睡魔で自宅の床に落ちて寝てしまうことになるのですが、体調不良になることもなく、とても元気に過ごしております。
(鍋焼きうどんで温まったおかげもあるな)
ところで、ヤット(遠藤保仁)さんが期限付き移籍して、J2 ジュビロ磐田でフル出場したのですね。以前より体が引き締まっていたりして。
凄いなこの人は。
と、なにやら明るいものをもらったのでした。
(スゲー)
私自身は最近スローペースになりつつありますが、いやもうなってるけど、また動いていきましょう。
健康に生きましょう。
また。